本日は、東京都江東区大島店にお持ち込みの“JUKI職業用ミシン SPUR98(TL98)”を修理しました。
担当は、ミシンショップタケダ修理センター1級機械縫製整備士の斉藤です。
今回の依頼内容は…
『針か当たって下りない』
そんな内容の依頼でした。
【故障内容】
・釜止め金具位置不良
職業用ミシンは昔から変わらず、ボビンケースを使用する釜構造です。
釜の構造は外釜と内釜に分かれてます。
ミシンが布を縫うとき、内釜は回転しないように押さえられ、外釜がモーターの力で回転します。
結論から申し上げますと、今回のトラブルは、糸くずが釜に食い込んだことで、本来回転しないはずの内釜が外釜と一緒に動いてしまい、針が釜に接触する…
我々はこれを“糸食い”と呼びます。
釜を使うミシンでは、もっとも多いとトラブルの1つです。
因みに殆どのケースで糸は見えません。
内釜が動いてなければ、油を指して、内釜を抑えながら、はずみ車を手で逆回転させると取れることもありますが…
今回は完全に内釜が釜止めから外れて動いてしまってたため、分解して原因を探しました。
釜をミシン本体から取り外すと、今回の故障が起きてしまった原因と思われるものを発見しました。
これが釜の回転止め金具ですが、そこに写真では分かりにくいですが“透明の糸”が絡んでました。
さらに釜の中や裏側にも同様な糸が…
典型的な“糸食い”ですね…
分解後、からんだ糸は全て取り除き、釜と釜回転止め金具を組付けて症状は改善しました。
他の箇所にも埃や油切れ等が見られましたので、全体的にメンテナンス作業をさせていただきました。
今回の原因となった透明糸ですが、生地の色に合わせをすることなく使用できる大変万能な糸ですが、通常の糸と比べるとスプリングのように暴れやすく糸が絡みやすい特徴があります…
また糸調子も合わせにくく…
フジックスなどの大手糸メーカーでも販売してますが、私個人的には、あまりお勧めはできない糸です…
ミシンを永く快適にご使用いただくためには、日ごろのお手入れや定期的な専門店でのメンテナンスも必要ですが、針や糸等の消耗部品も非常に大切です。
≪今回のミシン修理作業内容≫
メーカー|JUKI 職業用ミシン
機種名・型番|TL98
故障内容|針が何かに当たって下りない
修理箇所|釜止め金具位置調整分解清掃及び注油
JUKI公式HPでも当店が紹介されてます。
『ミシンの調子が悪い!』と感じたら…
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